絵付けのはなし(絵の具やお道具について)

【バラの書き方と絵付け方法(チャイナペイント)】ラフ画から陶磁器に描くまでを解説

華やかなシーンを演出するときに欠かせないバラの花。特にブライダル会場の演出には、なくてはならない花の一つです。世の中にはバラを描いた家具からテキスタイル、洋服の生地に至るまで、ありとあらゆる分野でバラの模様であふれています。

そんな身近な薔薇。気品ある花姿や存在感のある、そして女性が憧れるバラの花をサクサクと描いてみたいと思ったことはありませんか?

私が教室で描いているバラの書き方からバラの絵付け方法までを、ここで簡単に解説していきますね。

描くにあたり花の豆知識や構造なども順番に書いていきます、長くなりますがどうぞお付き合いくださいませ。

バラの豆知識

薔薇は2月25日、6月19日、7月14日、7月15日、12月25日の誕生花です。

種類は(樹形)にはブッシュrose(木立形)、シュラブrose(反つる形)、クライミングrose(つるバラ)の3種類があります。

花色は赤、白、ピンクなど様々で香りも、種類や花色によって違います。本当に沢山の薔薇がありますので、どれを描いたらいいの・・と迷いますよ。

不思議に薔薇っていろんな種類があるわりにはどの薔薇をとっても薔薇に見える一定の描き方があるんですよね。さてそれもあわせて見ていきましょう

バラの構造

植物って構造を知ることで、より身近になって記憶に残り描きやすくなります。

バラの全体部分の名称です。

 

バラの中心部分をのぞいてみると,雄しべ雌しべが見えてきます。雄しべは雌しべを守るように雌しべの周りをぐる~と囲んでいます。

種類によって異なりますが,雄しべの数は4~多数、雌しべは1~数本から成り立っています。

以上簡単にバラの成り立ちが解りましたね。次へ進みます。

バラの絵付け(チャイナペイント)準備するもの

①バラのラフ画を準備する

②絵付け(チャイナペイント)のための材料を準備する

③絵の具をといて実際に絵付け(チャイナペイント)する

まずバラを紙面に描いていくのですが、これを私はラフ画を作ると言っています。
以下順番に説明していきます

バラのラフ画を準備する

・紙またはスケッチブックを用意する。

・鉛筆と細ペンそして消しゴミ(どんな消しゴムでもいいのですが、出来れば先が尖ったもの、私はKOKUYOのノック式で、取り替えが出来るRESAREを使っています。細かい部分が消しやすいのが一番のお勧めです、通常の消しゴムに比べ消す頻度が多い場合は手が汚れなくてとても便利です)

・パステルまたは色鉛筆(どちらでもOK使い安いものをご用意下さい)

・鉛筆と細ペンでラフ画を作る

ラフ画を作っていきます。紙に四角を作り、四角の中に横4等分、縦3等分に構図をとる

 

・①=花芯を作る
・②=バラの丸みを作る
・③左に1枚目の花びらを作る
・④左に2枚目の花びらを③より少し大きく作る
・⑤右に③とほぼ同じ3枚目の花びらを作る
・⑥右に④とほぼ同じ4枚目の花びらを作る
・⑦②の中心下に5枚目の花びらを大きく作る

 

完成しました。

 

ラフ画に色付けする

薄いピンクから濃いピンク3色を準備する。

 

一番薄い色を全体に入れる。

 

1回目に入れた色より濃い色を入れたらこんな感じです。

 

葉っぱもラフ画作りました。

これでバラのイメージが出来たと思いますので、実際に陶磁器やガラスに描いて行きましょう

絵付け(チャイナペイント)のための材料を準備する

バラの絵付け(チャイナペイント)の完成したものです。

 

バラに始まりバラに終わる・・といっても過言ではないくらい、絵付けをする人にとっては憧れの花であり永遠のテーマでもあるバラは、描いても描いても課題が増えてきます。

紙面に書いたものと、これから陶磁器やガラスに描こうとしているものは、少し感覚が違います。

紙面の場合は小さい時から学校でも慣れ親しんできたと思うのですが、陶磁器やガラスにはまず馴染みがなく不慣れなことから、最初は難しく感じると思いますが、以下に進んでいただくと意外に簡単なことが解ると思います。

では進めていきますね

材料の準備

《絵付けするのに必要なもの》

①絵付け専用の電気炉

②絵付け専用に絵の具

③絵の具溶きオイルいろいろ

④描きやすい筆(やわらかくて保湿の良いもの)

⑤絵付け用白磁

①以外を画像にまとめました。(①電気炉・焼成窯については費用が大きいので一旦置いときますね)

 

絵付けの道具は少し特殊です。絵の具は普通の水彩絵の具やアクリル絵の具とは、違う種類のものになります。

窯に入れて焼成した時にちゃんと発色していること。そして高温(760~830度)に耐えられる絵の具であることが絶対条件になります。

今回は小さなお皿、白磁器に描いて行きます。お皿の中心に1輪・・薔薇を描きます。

絵の具を溶いて実際に絵付け(チャイナペイント)する

絵付け(チャイナペイント)をする準備が出来ましたので、お皿に描いて行きます。

1回目の色付け

準備する絵の具の色、ピンクと緑を溶き液で溶いていきます。(筆1号を用意、材料画像では④になります。)

 

小皿に鉛筆で直接下書きをします。そして1号の筆にピンクを含ませて描きます。
・縦の線と横の線を引いた上での説明をしていきますね(矢印の方向に筆を進めます)

 

・バラの花芯=筆の動きは中心線部分に花の中心を作ります、クルックルッと花芯に向かって左にまあ~るくカーブを作りながら2回、右にまあ~るくカーブを作りながら3回(画像→部分)描きます。

 

バラの花びらの塊=中心となる花びらが沢山集まっている塊部分、左側をまあ~るくカーブを作りながら3回、同じく右2回描きます(この時の注意点は筆のハラを十分使う事です)。

ポイントはまあぁ~るく、まあぁ~るくです。まっすぐな花びらは1枚もない・・という感じで描いていきましょう。

開いた花びら=左から①→②赤い矢印のように少しカーブを作りながら描きます、同じく③→④も進めます。⑤の花びらは2回、赤い矢印に筆を進め描きます。

 

1回目の絵付け(チャイナペイント)完成(ラフ画にはないですが葉っぱも付けました)

 

焼成前、焼成後、しっかり陶磁器に馴染んでピンクの色が綺麗に発色しました。

 

2回目の色付け

1回目の色付けと同じく色を付けていきます。2回目は色が少し濃くなります

 

1回目の色付けの時と同じように

バラの花芯=花の中心を作ります、花芯に向かって左にまあ~るくカーブを作りながら2回、右にまあ~るくカーブを作りながら3回(画像→部分)描きます。

バラの花びらの塊=中心となる花びらが沢山集まっている塊部分、左側をまあ~るくカーブを作りながら3回、同じく右2回描きます。

開いた花びら=左から①→②赤い矢印のように少しカーブを作りながら描きます、同じく③→④も進めます。⑤の花びらは2回、赤い矢印に筆を進め描きます。

*この時の注意点は1回目の花びらを塗りつぶすのではなく、1回目の花びらの色を少し残しながら描いていくことがポイントです

2回目の色を付け終わりました。次は花びらの線描きをしていきます。

 

細筆(材料画像、筆は②です)で線描きをする順番を示します。右下画像のように花の花芯部左3回右3回細線を描きます。

 

花の丸い中心に線を描きたら次は左の花びら2枚、右花びら2枚に線描きします。最後に中心下の花びら1枚に線描きをしたら完成です。画像矢印に進めて下さい。

 

完成しました(焼成後です)

 

いかがでしたか、うまく描けましたでしょうか?

難しかったですよね・・繰り返し練習してください。必ず上手になりますので。

 

*このバラが描けるようになると、ふくよかな幾重にも重なった華やかなバラも描けるようになります。

まとめ

長い時間ここまでお読み下さりありがとうございます。

バラの絵付け(チャイナペイント)方法をまとめますね。頭の中の整理または復習にお役たて下さい。

①バラのラフ画を準備する

 

②絵付け(チャイナペイント)のための材料を準備する

 

③絵の具をといて実際に絵付け(チャイナペイント)する

 

順番に進めていくとこのようなバラが完成します。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。ご意見ご質問などありましたらお気軽のどうぞ~お待ちしています。

ABOUT ME
HITOMI らら
20代の時から洋食器に関わりフリーハンド絵付けの教室を運営してる ”らら””がその歴史や技術はもちろんの事。絵具、道具、焼成窯に至るまでを伝えていきます。