夏の花といえば、誰しも思い浮かべるのがひまわり。
子供の頃の宿題の絵日記に必ず書いたひまわり、堂々とした分かりやすい顔をした花です。
青い空にスッと咲く黄色いひまわり・・太陽に向かって咲いている花姿は、凛として揺るがない意志の強さを感じます。元気エネルギーもらえる花です
そしてショップでは、夏が近づく頃からひまわりをモチーフにした食器、タオル、ファッションなどが登場します。花の表情も様々で、見て歩くのも実に楽しく心が明るくなります。
歌もいい~福山雅治の「ひまわり」は大好きです。伊藤咲子の「ひまわり娘」も・・・・・
年代が知れますが・・。
ということから、ひまわりの絵付けをした食器はいかがですか?自分で描いた手描きの食器です。これって自分で描けるんですよね。専門用語で「絵付け」といいます
知っているよーの方はすっ飛ばして次へお進みくださり、知らない方もご自身の興味のある所からお読み下さい。では進めていきますね。
絵付けとは?
まず、ここで「絵付け」という言葉が気になってきました。絵付けって何なのでしょうか?
絵付けの本来のながれ
ピンポイントで申しますと、絵付けをする相手が紙ではなく陶器や陶磁器、ガラス等に絵を描く事を絵付けと言います。
本来の陶磁器の流れから言いますと、型作り→素焼き→釉掛け→本焼き→の流れが一般的です。
素焼きの後、釉薬をかける前の素焼きに絵付けすることを下絵(したえ)
釉薬をかけて本焼きの後にする絵付けを上絵(うわえ)といいます。
この言葉については以下の記事に詳しく書いています。参考にしてください
<特殊用語>
いろいろ細かなことを説明してきましたが、ここで上手に描くポイントは何でしょうか?
絵付け上達のための3つのポイント
ポイント1=絵付け用の絵の具と材料にできるだけ慣れること、絵付け用の絵の具は粉状のものを使用すること。
ポイント2=花の配置をクロックポジションで書くこと。
<クロックポジションの意味>
観測する人を中心に置き(時計で言うと中心の点です)正面を12時とした場合の方向を示す手法です。
となると観測者が水平に両手を挙げた場合右手の方向が3時、左手が9時の方向になります。
ポイント3=毎日コツコツ筆を持ち描く時間を積み重ねること
絵付けの前に準備したい道具
《絵付けするのに必要なもの》
・絵付け専用の電気炉
・絵付け専用に絵の具
・絵の具溶きオイルいろいろ
・描きやすい筆(やわらかくて保湿の良いもの)
・絵付け用白磁
絵付けの道具は少し特殊です。絵の具は普通の水彩絵の具とかアクリル絵の具とは、ずいぶん違う特質のものになります。
窯に入れて焼成した時にちゃんと発色していること。そして高温(760~830度)に耐えられる絵の具であることが絶対条件になります。
ひまわりの絵付けをするための準備
準備にはいろいろありますので、順番に書いていきます。
絵の具
上段のパレットは1回目の上絵付けの絵の具です。左上から順番に黄色、黄緑、黒、茶色、緑。焼成後、下段2回目の上絵付の絵の具です。
筆
筆ですが、何でもいいといえばいいのですが、絵付けを進めていくと小さな不都合に行き当たります。
もう少し色の伸びがあったら・・とか、器と筆のタッチが滑らかだったら・・とか・・。
その少しのイライラを解消してくれるのがこちらの筆、コリンスキー。ちょっと高価ですが、とても滑らかで色もちもよく、実に使いやすい筆です。
薄め液と筆洗い
薄め液は絵の具が固くなった時に、少しずつ筆に含ませて使います。私はラベンダー液を使っています。絵付けのいい状態を保ってくれます。
テレピンは筆を洗う液です。
パレット
絵の具を溶くためのもの、小さいほうで1つ1つ溶いて、大きいパレットに移していきます。
白磁
絵付けをする相手です、ここではわかりやすくタイルに描いていきます。
絵付けをする
やっと描く所まで来ましたが、もう少しだけ細かなことを書きますね。
筆と描く陶磁器との関係
白磁器にコリンスキーの筆を使って描いていきますが、白磁器はツルツルしています。
そのツルツルの面に描きやすい筆が、私の場合コリンスキーの筆になります。
・描きにくいな~と感じた時はどうしたらいい?
描き進むと、なんだか描きにくいな~と感じるときがあります。それは陶磁器の面と筆の角度があっていない時です。
たいていは、左手にお皿、右手に筆を持ちますね、花びら1枚1枚描き進めますが(この後の描き方の順番を参考にしてください)1枚目の花びらから2枚目の花びらに行く時、ちょっと描きにくい・・、
その時は左に少しお皿をまわしてください。(わかりにくい人は、右や左にお皿を動かして自分で描きやすい角度を見つけてくださいね)
ひまわりの絵付け完成はこちら
こちらはガラスコップにひまわりを絵付けしたもの。
ひまわりを描きます(上絵付け1回目の色入れ)
絵付けをするための絵の具を溶いていきます
絵の具を溶く
<絵の具を溶くときのコツ>
粉の絵の具と溶き液の割合は6:4がいいでしょう。(季節や湿度によって状態が違ってきますので粉の絵の具と溶き液の割合は7:3という場合もあります) 溶いた絵の具の状態は水彩絵の具よりは硬くを意識して練り練りといてください。
こねればこねるほど絵の具の粒子が細かくなるので磁器への定着が美しくなります。
小さいタイルで1つ1つ絵の具を溶いていきます。タイルの端を左手でしっかり押さえ、粉の絵の具にオイルを入れてシャッシャッ・・と粒が残らないように滑らかになるまで練ります。
描く時のクロックポジション
ひまわりを専用の鉛筆で陶磁器(陶板)に書き、12時、3時、6時、9時から描きます。
ひまわりを描く時の筆の動き
ご注意いただきたい筆の動きですが、中心に向かって小さいカーブを作りながら進めます。
まずクロックポジションに12時、3時、6時、9時の4ケ所花びらを配置します。その間に花びらを描き、さらにその間に花びらを入れていく流れで完成させて下さい。この時の筆は細筆④を使います。この後1回目の焼成をします。
実際に陶磁器(陶板)に描きます。矢印(→)の方向に進めます。クロックポジションに12時、3時、6時、9時の4ケ所に花びらを配置し、
12時と3時の間に花びらを描き、
3時と6時の間に花びらを描き、
6時と9時の間にも花びらを描き、
9時と12時の間にも花びらを描きます。
次はさらにその間に花びらを入れていく流れで完成させます。
1回目の色づけ完成→焼成します。
ひまわりの描き方、 紙面上での書き方です。また花言葉や豆知識も書いていますので絵付けの描き方と合わせて見ていくと、より分かりやすいと思いますので参考にしてください。
【ひまわりの描き方】クロックポジションに均等に配置して書く|絵付け教室の先生が解説
ひまわりを描きます(上絵付け2回目の色入れ)
1回目の絵付けが終り、焼成後の2回目の上絵付です。1回の絵付けで完成とせず、2日目の絵付けをする理由は、絵に奥行きを持たせるためです。
ひまわりを描く時の筆の動き
2回目の絵付けは絵の具を,1回目のものより少し濃い色を準備します
この時の筆は肉づけに小筆④を使って描きます。→の順番に進めて下さい
線描は細筆②を使います。(詳細は画像をアップしてご覧ください)
沢山の花びらですが一つ一つ丁寧にグルッと線書きして下さい。(詳細は画像をアップしてご覧ください)葉っぱまで描いたら完成です。この時の筆は細筆②を使います。この後2回目の焼成をします。
焼成が終ったら完成です。
まとめ
ひまわりの絵付けをまとめますね。
材料を整え、絵付け上達のための3つのポイントをまもると上手に描けます。この3つのポイントが一番難しくて重要ですので、繰り返し取り組むことが上達の近道ということになります。
■絵付け上達のための3つのポイント
ポイント1=絵付け用の絵の具と材料にできるだけ慣れること、絵付け用の絵の具は粉状のものを使用すること。
ポイント2=花の配置をクロックポジションで描くこと。
<クロックポジションの意味>
観測する人を水平なアナログの中心に置きます(時計で言うと中心の点です)正面を12時とした場合の方向を示す手法です。
となると観測者が水平に両手を挙げた場合右手の方向が3時、左手が9時の方向になります。
ポイント3=毎日コツコツ筆を持ち描く時間を積み重ねこと
以上、ひまわりを上手に絵付けする方法でした。
描く気持ちを絶やさず、コツコツ描いていきましょう。
最後までお読み下さりありがとうございました。それではまた~^^